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- 平成15年年頭の小泉首相の挨拶からも明らかなとおり、デフレ対策の過程で企業(特に中小企業)や個人に痛みを伴う状況が今後も益々増えることは必須と思われます。
- 産業再生機構の設立、活用により日本経済の再生に向けた動きがいよいよ本格的に始動しましたが、経済的に破綻までには至っていないが今後もローン等の支払を続けることが困難な状況にある個人の方々を破産ではなく、支払可能な範囲に債務額や支払方法をリスケジュールして法的手続内で再生を図るのが「個人再生手続」です。同手続は「個人版民事再生法」として民事再生法の特則という形で平成13年4月から施行されました。まだ施行から日が浅く、条文構造が非常に複雑なため、認知度も低く、十分に活用されていない状況です。
- 個人再生手続は、大別して、(1)小規模個人再生、(2)給与所得者等再生、(3)住宅資金貸付債権に関する特則の3つに分けられます。
(1)は一般的な手続であり、再生債権の総額が3、000万円以下の場合に申立可能で、債権者及び債権額の2分の1以上の積極的な不同意がない限り、最低弁済基準(最高でも300万円)を上回る範囲の金額を原則3年以内に弁済すれば、残額をカットすることができます(これによれば債務額の8、9割カットが可能です)。
(2)は主にサラリーマンの方を対象として可処分所得の要件を充たせば債権者の同意も不要です。
(3)は住宅ローンの支払に窮した個人の方が対象で支払方法をリスケジュールして、かつ抵当権の実行を阻止することができます。つまり住宅を手放すことなく返済方法の見直しが法的に可能となったわけです。
- 多重債務者の自己破産、免責が余りに簡単に認められているため、モラルの低下が心配されていますが、個人再生手続の対象となる方は今後も継続収入が見込めて更生の意欲がある方であり、法律の手助けで再生を図ろうという趣旨であり、むしろ真面目な方が借金を返済するためにより条件の悪い金融機関(高利貸し、ヤミ金)から借金して破綻に至る前に救済する制度であり、多くの方が積極的に活用すべき制度だと考えます。
- 銀行への公的資金投入や一部大企業への債権放棄といった救済策に比較して中小企業や個人への救済策はまだまだ不十分だと思いますが、「借りたものは返さなければならない」という考えに忠実な余り、逆に破綻に至るのであれば、法律の力を利用して「再生」を図ることは決して後ろ向きの話ではありません。日本ではこれまで敗者復活の途が乏しかったのですが、失敗を恐れていては結局何もできず淘汰されるだけであり、失敗を恐れず挑戦した人を賞賛し、失敗した人には敗者復活の途を用意することが日本経済に活力を取り戻すため必要不可欠でしょう。失敗を恐れて何もしない人が優遇されるような制度では活力は取り戻せません。
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平成15年1月 |
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